研究課題/領域番号 |
08671456
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北村 薫 九州大学, 医学部, 助手 (70234276)
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研究分担者 |
園田 耕三 九州大学, 医学部, 医員
住吉 康平 九州大学, 医学部, 医員
藤 也寸志 九州大学, 医学部, 助手 (20217459)
桑野 博行 九州大学, 医学部, 講師 (90186560)
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キーワード | 食道癌 / アポトーシス / p53遺伝子 / 集学治療法 |
研究概要 |
われわれは従来、食道癌に対する集学治療の一環として、高温・化学・照射療法(Hyperthermo-chemo-radiotherapy : HCR)を提唱し、これまでに152例の手術症例に対してHCRを行い、125例の化学・照射療法(Chemo-radiotherapy ; CR)施行例を対照に、retrospective、prospectiveともにHCR群の有用性を報告してきた。これまでの検討により、特に腫瘤型、高分化型、深達度mpまでの症例では著効例が多いことがわかっている。また近年、癌とアポトーシスの関係が盛んに研究されるようになり、直腸癌症例を用いたわれわれの基礎検討では、治療前のアポトーシスの多寡によって、個々の症例の治療効果を予知する可能性を示唆する知見が得られている。そこで平成8年度は、食道癌においてもアポトーシスの発現を、これに密接に関与しているp53等の癌関連遺伝子の発現異常とともに解析し、集学治療の効果予知試験としての意義を検討したところ、HCR、CRどちらの治療群においても、p53蛋白の染色陽性の方が、有効例が多い傾向を示すことがわかった。次年度以降はさらに、治療効果と予知因子に関する基礎検討として、細胞株を用いて、温熱、抗癌剤、放射線それぞれの単独治療におけるアポトーシス発現様式の特性、誘導の程度、併用した場合の相加、相乗効果を検討する予定であり、技術的にも、設備的にも十分な検討が可能であろうと考えられる。
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