研究課題/領域番号 |
08671456
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北村 薫 九州大学, 医学部, 助手 (70234276)
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研究分担者 |
荒木 貢士 九州大学, 医学部, 医員
大野 真司 九州大学, 医学部, 助手 (50203881)
桑野 博行 九州大学, 医学部, 助教授 (90186560)
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キーワード | 食道癌 / p53蛋白 / Ki-67抗原 / アポトーシス / 集学的治療 |
研究概要 |
われわれは従来、食道癌に対する集学治療の一環として、高温・化学・照射療法(Hyperthermo-chemo-radiotherapy:HCR)を提唱し、これまでに151例の手術症例に対してHCRを行い、125例の化学・照射療法(Chemo-radiotherapy:CR)施行例を対照に、retrospective、prospectiveともにHCR群の有用性を報告してきた。特に、術前HCR施行例における、組織学的著効(Grade3:n=33)と非著効例(Grade0-2:n=118)との比較検討では、Stage I/IIの深達度が比較的浅い症例に著効例が多い一方で、他臓器浸潤(A3)症例でもその12%にGrade3を認め、これらの症例では長期生存が得られていることがわかった。つまり、深達度やリンパ節転移などの臨床病理学的因子の他に、Neoadjuvant therapyの治療効果を的確に予知しうる因子の探究は急務であると考えられた。 そこで平成9年度は、p53蛋白と、増殖活性の指標としてKi67抗原の発現における、集学治療の効果予知試験としての意義を検討した。HCR、CRどちらの治療群においても、p53蛋白の染色陽性の方が、有効例が多い傾向を示した。また、Ki67抗原のLabelling Indexが300以上では有意に有効例が多かった。最終年度はさらに、治療効果と予知因子に関する基礎検討として、細胞株を用いて、温熱・抗癌剤・放射線単独治療におけるアポトーシス発現様式の特性、併用した場合の効果増強を検討する予定である。
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