研究課題/領域番号 |
08671462
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
桂巻 正 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50253993)
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研究分担者 |
和田 好正 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90274927)
向谷 充宏 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00253998)
八木橋 厚仁 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40260757)
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
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キーワード | 豚肝移植 / 阻血再灌流障害 / 一酸化窒素 / NO合成酵素阻害剤 |
研究概要 |
本研究ではNOが肝阻血再灌流においてどのように変動するのか、再灌流後のNO産生を抑制することで再灌流障害を軽減できるのかを肝温阻血再灌流・移植モデルにおいて検討した。 【方法】実験1:20kgの雌豚を使用し門脈血を体外シャント下にバイパスした120分肝温阻血モデルを作成し、再灌流前後のNOの変動を検討した。NO合成酵素阻害剤の再灌流障害に対する効果を検討するため、構成型NO合成酵素を比較阻害するL-NAME、誘導型NO合成酵素を比較的阻害するaminoguanedine(AG)を投与した。薬剤は虚血前に門脈内に投与した。 実験2:豚肝移植において誘導型NO合成酵素阻害剤(aminoguanidine)を再灌流直後に門脈内投与した。 【結果】肝阻血再灌流においてNOは再灌流後は虚血前値より数時間上昇し以後低下した。L-NAME投与は投与直後の血圧を上昇させたが、75%が虚血中もしくは再灌流後に死亡した。AG投与は血圧を変動させず全例生存した。再灌流後のNO上昇を抑制されており、肝組織血流は非投与群と比較すると有意に高く、肝逸脱酵素は低かった。肝移植においてAGを再灌流直後に門脈内投与すると、肝逸脱酵素は非投与群に比較して低い傾向を認めた。 【考察】以上より肝阻血再灌流においてAG投与により再灌流後のNO産生が抑制されたことから、虚血再潅流によって誘導型NO合成酵素によるNOが産生されること、このNO産生を抑制すると再灌流障害を抑制できたことから誘導型NO合成酵素阻害剤は再灌流障害を軽減させ得ることが判明した。また、構成型NOを抑制することは肝虚血再灌流において障害的に働くことが判明した。
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