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1996 年度 実績報告書

ヒト大腸腫瘍の増殖進展とtelomerase活性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08671464
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福島県立医科大学

研究代表者

佐藤 久芳  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00254037)

研究分担者 安藤 善郎  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (80244383)
土屋 敦雄  福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (10117674)
キーワード大腸癌 / テロメア / p53 / two-stage mechanism / 細胞老化
研究概要

当科において手術を施行した進行大腸癌36例を対象に癌部及び非癌部からDNAを抽出し、southern hybridization法を用いテロメアDNA長の解析を行った。p53、K-ras遺伝子変異についてはPCR-SSCP法およびdirect sequence法で、p53のLOHについてはmicrosatellite polymorphismを、RbのLOHについてはPCR-RFLP法を用い検索した。テロメアDNA長の変化は、非癌部との比較で、癌部でのテロメア長が20%以上短縮あるいは過長例を変化陽性とした。陽性例の非癌部のテロメア長の平均は8.8kbで癌部では5.4kbであった。36例中陽性例は19例(短縮18例、過長1例)52.8%であった。p53の変異はexon5、6、7、8で検出され、direct sequenceの結果GAT-GGTなどの一塩基置換によるものがほとんどであった。このような変化は36例中15例(41.7%)に認めた。またp53のLOHは36例中14例(38.9%)に認めた。テロメアDNA長の変化と各遺伝子変化との関係を示す。p53にmutationを認めたものの中でテロメアDNA長に変化を認めたものは15例中12例(80%)で変異群に有意に多く(p=0.008)、またmutationとLOHの両方を認めた6例全例(100%)にテロメア長の変化を認めた(p=0.022)。K-rasおよびRb遺伝子変化とテロメアDNA長の変化の関連では両者間に有意な相関は認めなかった。以上より、WrightやShayらがin vitroで証明した細胞老化と不死化におけるtwo-stage mechanismのモデルをヒト大腸癌の発癌、進展に当てはめると、ヒト大腸癌においてはp53の機能喪失がM1期を克服し細胞の不死性を獲得するプロセスに重要な影響を与えている可能性が示唆された。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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