研究概要 |
(A)進行胃癌の腹膜藩種性転移の診断の確立 漿膜浸潤胃癌を対象に術中洗浄細胞診を行い,通常のPapaniclou染色(Pap染色),免疫組織(CEA,CA19-9,STN)染色にて癌の陽性率を確かめた。平成8年度に加え現在,40例に細胞診を施工しPap染色では,13例(32.5%)にClass Vの細胞診陽性,2例にClass IIIの結果を得た。Pap染色に免疫染色を加えても陽性率の向上は少なかった。 (B)4種の胃癌細胞株(MKN-1,MKN-28,MKN-45,MKN-74)に対するCDDP,5FUの投与法の違いによる抗腫瘍効果とその際の生じる細胞の形態変化の観察 前年度にCDDPと5-FUの併用による抗腫瘍効果の増強とMKN-74の形態変化について報告した今回,MKN-1とMKN-28について化学療法による形態変化,ApoptosisとKi-67の発現をLaser Scanning Cytomertyを用いて観察した結果,以下のことが明らかとなった。 (1)Ki-67陽性率はMKN-1では5FU単独で処理した場合には,僅かに減少を示したが,CDDP単独処理では39%に,CDDP/5-FUでは34%に減少した。MKN-28では抗癌剤の種類によらず僅かに減少傾向を示した。(2)Ki-67抗原の増加を認めた細胞では,細胞周期と関係なく抗原が核内に顆粒状に存在した。(3)CDDP単独では核の断片化が見られたが,CDDP/5-FUでは断片化は少なくなったが核の膨化が見られた。 (C)CDDPとCAFFEINEによる併用療法による抗腫瘍効果 STKM-1培養細胞を用いて行ったがCaffeineはApoptosisを誘導して抗腫瘍効果の増強が起こることが明らかとなった。
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