研究概要 |
進行胃癌の腹膜播種性転移の診断の確立 進行胃癌を対象に術中洗浄細胞診を施行し,通常のPapanicolau染色に加えCEA,CA19-9,SLXの免疫染色をおこなった結果,細胞診疑診例には有効である点に関しては,昨年までの研究により明らかにした。今年度は,症例を更に増やし51例を対象に,従来の細胞診,免疫染色に加え,洗浄液内にCEAのmRNAを抽出しRT-PCR法を用いて,分子レベルでの播種の診断をおこなった。 まず,コントロールとして培養細胞(KATO III)を用いて検索感度を調べた結果,細胞数100個でも検索可能であることが明らかとなった。また,実際の症例では51例中20例が通常の細胞診陽性であったが,CEAのmRNAの検索により陽性例はすべて131bpの部位にバンドを認め,さらに細胞診陰性を診断した31例中に新たに3例が陽性と診断した。CEAのmRNAの検索は腹腔内に潜在する播種の診断に有効な事が明らかとなった。 播種治療による細胞障害とアポトーシス この点に関しては,昨年までの研究によりCDDPにCaffeineを加えることによって,よりアポトーシスを生じる細胞が増えた結果,抗腫瘍効果が増すことをFlow cytometryを用いた研究により明らかにした。
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