1.Epidermal Growth Factor受容体(EGFR)アンチセンス発現アデノウイルス感染後のEGFR発現の変化 方法:8chamber glass slideにヒト胃癌培養細胞株(MKN-28)を培養し、Epidermal Growth Factor受容体アンチセンス発現アデノウイルス(Ad-EAS)あるいはβ-galactosidase発現アデノウイルスを投与後3日間培養し、抗ヒトEGFRモノクローナル抗体をもちいたSAB法による免疫細胞化学染色にてEGFR発現を観察した。コントロールとしてはウイルス非投与群、β-galactosidase発現アデノウイルス投与群を設定した。 結果:コントロール群に比較して、Ad-EAS投与群ではEGFRの発現は減弱した。 2.ヌードマウス皮下移植腫瘍におけるEpidermal Growth Factor受容体(EGFR)アンチセンス発現アデノウイルスのin vivoでの治療実験 方法:ヌードマウス背部皮下に、ヒト胃癌培養細胞株(MKN-28)を1×10^7個接種し、腫瘍径が5mmになった時点でAd-EASを1×10^9PFU/100μl腫瘍内局所投与し、腫瘍増殖に及ぼす影響を検討した。コントロールとしてはPBS投与群、β-galactosidase発現アデノウイルス投与群を設定した。観察期間はウイルス投与後48日間とし、腫瘍の推定腫瘍体積は体積=長径×短径^2/2で計算した。 結果:ヌードマウス皮下移植腫瘍にAd-EASを投与した結果、腫瘍増殖は有意に抑制された。PBS投与群とβ-galactosidase発現アデノウイルス投与群間では腫瘍増殖に差は認められなかった。PBS投与群に対するAd-EAS投与群の腫瘍増殖抑制の比率は、アデノウイルス投与後48日目で93%であった。
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