研究概要 |
1) EGFRおよびc-metアンチセンス発現アデノウイルス感染後のEGFRおよびc-mnet発現の変化 ヒト胃癌培養細胞株(MKN-28)を培養し、Epidemlal Growth Factor受容体アンチセンス発現アデノウイルス(Ad-EAS)、c-metアンチセンス発現アデノウイルス(Ad-MAS)あるいはβ-galactosidase発現アデノウイルスを投与後3日間培養し、抗ヒトEGFRおよびc-me七抗体をもちいたSAB法による免疫細胞化学染色にてEGFR発現を観察した結果、コントロール群に比較して、Ad-EAS投与群ではEGFRの、AdMAS投与群ではc-metの発現が抑制された。 2) AdEASのin vitro及びin vivoでの増殖に及ぼす影響 in vitroの実験にはAGS,KKLS,MKN28の3株の胃癌細胞株を用い、96wellにて至適ウイルス投与後7日間の増殖を検討した。実験7日目ではEAS投与群はコントロール群に比べ、AGSでは81.8%、KKLSでは82.7%、MKN28では67.4%の増殖抑制効果が認められた。in vivoの増殖能の検討はMKN28をヌードマウス皮下に移植し腫瘍径が約5mmになった時点からウイルスを5日間連日に腫瘍内投与し以後サイズを観察した。EAS投与により腫瘍の発育はほとんど抑制され、24日目の相対腫瘍重量はEAS群では1.9であったのに対し、β-GAL群では18であった。 3) AdMASの胃癌細胞の運動に及ぼす影響 胃癌細胞3株に対しAdMASを感染させた結果c-metを過剰発現しているHs746tのみが44%の増殖抑制を認めた。運動に関してはc-metを発現しているAGSと過剰発現しているHs746tの運動が、それぞれ88%、45%と有意に抑制された。一方、c-metを発現していないKKLSでは増殖や運動に影響しなかった。
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