研究概要 |
本年度は,イヌ膵ラ島から糖尿病マウスへの異種移植実験においてアガロースマイクロカプセル化とNO合成酵素阻害剤のであるニコチンアミドとの併用効果の有用性について検討した.イヌ膵ラ島を雑種犬より単離しアガロースゲルによりマイクロカプセル化したラ島をストレプトゾドシン投与により作成したBALB/cマウスの腹腔内に移植したモデルで,ニコチンアミド500mg/kgを腹腔内投与し,以下の結果を得た. (1)マイクロカプセル化ラ島により長期の糖尿病状態の改善を認めた. (2)ニコチンアミド投与群において非投与群との間に有意な生着延長効果は認めなかった. (3)組織学的には,カプセル周囲に細胞浸潤を認めなかったがラ島は退縮し,機能を有しないと思われた. 以上より,ニコチンアミド500mg/kg投与では有用性は証明されず,今後他のNO合成酵素阻害剤(NMMA等)の使用やこれらの投入量を変えて検討する予定である.
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