研究概要 |
黒色胆石33例について、粉末×線回折法にて結晶在的に検討した。すべてが25°以上の高角度にピークがみられ、22例がリン酸カルシウム結晶(P),11例ではこれに加えて炭酸カルシウム結晶(CP)が存在していた。Pの2例にはコレステロールのピーク(1°〜20°)もみられた。P群の中にはHydroxyapatiteやwhitlockite,あるいはその両者を含んでいるものもあった。炭酸カルシウムの結晶形についてみるとCP群においてcalciteの出現頻度が最も高く,次いでVateriteであった。即ち、炭酸カルシウム胆石においてはarogouiteが高頻度であるのと対比的であった。 その他,成分は特定できなかったが、6°〜9°の低角度の部分に回折ピークを示す例もみらた。これらは、ビリルビンカルシウム結石でしばしばみられる回折パターンとほぼ一致していた。
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