研究課題/領域番号 |
08671498
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
藤田 博正 久留米大学, 医学部, 助教 (90156878)
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研究分担者 |
山名 秀明 久留米大学, 医学部, 助教授 (30140669)
城 誠也 久留米大学, 医学部, 助手 (30196662)
篠崎 広嗣 久留米大学, 医学部, 助手 (70226140)
島 一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (60178928)
末吉 晋 久留米大学, 医学部, 助手 (30235840)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 食道癌 / 局所進行癌(T4) / 集学的治療 / 導入照射化学療法 / 制癌剤少量連日投与法 / Prospective trrial / Informed consent / Area under the curve (AUC) |
研究概要 |
【目的】他臓器に浸潤するT4食道癌の生存率を改善する集学的治療法を見いだす。 【対象】臓器転移のない他臓器浸潤(T4)食道扁平上皮癌、年齢75歳以下、PS:0-2。リスク判定で手術可能。活動性の重複癌がない。 【方法】インフォームド・コンセントに基づいて(1)群:術前後照射化療(術前:放射線36Gy+CDDP/5Fu 少量連日投与、術後:放射線24Gy+CDDP/5Fu 少量連日投与)、(2)群:術後照射化療(放射線50Gy+CDDP/5Fu 1回大量投与2コース)、(3)群:照射化療単独(非手術)(放射線60Gy+CDDP/5Ful回大量投与2コース)のいずれかを患者が選択する。 【結果】[1]1994-1998年に48例がエントリーされた。(1)群26例、(2)群16例、(3)群6例。[2]照射化療の奏効率は(1)群(CDDP 少量連日投与)の1コース投与後65%(PR 65%)、2コース投与後88%(CR 63%、PR 25%)。(3)群(CDDO 1回大量投与)の2コース投与後50%(CR 17%、PR 33%)。(1)群の奏効率が高かった。[3]切除率は(1)群54%(治癒切除率35%、姑息切除率19%)。(2)群81%(治癒切除率6%、姑息切除率75%)。(3)群17%(姑息切除率17%)。(1)群の治癒切除率が高かった。[4] 1・2・3年生存率は(1)群56%・27%・27% (切除例:79%・31%・31%、非切除例:29%・19%・19%)。(2)群41%・21%・0%。(3)群21%・21%・0%。3年以上生存例は(1)群のみであった。[5]副作用:骨髄抑制、腎障害、瘻孔形成の頻度は(1)群(少量連日投与)で69%、8%、15%、(2)(3)群(1回大量投与)で21%、4%、8%。(1)群は骨髄抑制が高頻度であった。[6]CDDP血中濃度の積分値(AUC)は(1)群16.4μg・hr/ml(Free Pt)。(2)(3)群4.4μg・hr/ml(Free Pt)。(1)群のAUCが大きかった。 【結論】他臓器浸潤食道癌に対する放射線とCDDP+5Fu少量連日投与の併用は他の治療法に比べ奏効率が高い。手術との併用で治癒切除率を高め、生存期間の延長に寄与する。
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