研究課題
基盤研究(C)
(1)胸膜中皮腫の新鮮凍結材料及びホルマリン固定材料よりDNAを抽出し、PCR-SSCP (Single Str and Confor mation Polymor phism)法により突然変異をスクリーニングし、変異を認めたバンドよりDNAを再抽出した後、塩基配列を決定する。千葉大学および関連諸施設において摘出された悪性胸膜中皮腫および隣接する非腫瘍性胸膜を採取して、フェノール・クロロホルム法によりDNAを抽出した。現在までに3例の臨床材料を集めることができた。NF2遺伝子増幅のためのPCR primerはカナダMcGII大学Roul eau等のグループの発表に基づき合成した。(2)H-E染色における組織像観察、フローサイトメトリーによるaneupleudy pattern解析、抗Ki-67抗体 抗PCNA抗体による免疫染色(ABC法)を行い、突然変異の有無や突然変異のパターンとの相関を解析する。Ki-67はDAKO社の精製抗体(M0722),抗PCNA抗体はDAKO(M0879)を購入した。(3)千葉大学肺外科及び関連病院における過去の症例の予後と突然変異解析の結果に統計処理を加え、相関を調べる。現在対象患者の予後についてはデータを蓄積中である。(4)新たな悪性胸膜中皮腫症例に関しては継代培養を行い細胞株の樹立をめざすとともに非癌部胸膜の採取を胸腔下あるいは開胸時直視下に施行しPCR-SSCP法によりNF2遺伝子の突然変異解析を実行する。非癌部胸膜が採取できたのは2例である。継代培養に成功した症例は現在までのところない。
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