研究概要 |
1)ex-vivoラット肺再潅流モデルの開発 Perfusion circuitは3匹のratから得られた30mlの新鮮血で始動され、心-左肺ブロックは37℃,湿度100%に維持されたchamber内のPerfusion apparatusに置かれた。静脈血用リザーバーからdouble head roller pumpによって血液はPAを経て左肺に潅流される。左肺からの流出血は貯血用リザーバーに集められ、pumpにてdeoxygenator lungに潅流された。このモデル実験で、newET-K液はEC液よりも優れた保存後肺機能を湿し,UW液と同等であり,臨床肺移殖におけるドナー肺の増加に寄与することが期待された.また,このExvivoラット肺再潅流モデルは簡便で信頼性も高いことから,肺保存に関する研究に広く使用可能であり有用と考えられた. 2)肺保存におけるdibutyryl cyclicAMP(dbcAMP)の効果 上記で開発したモデルを用いて、dibutyryl cyclicAMP(dbcAMP)を保存液に加え、17時間肺保存における効果を調べた。dbcAMPは保存後の肺酸素化能、肺動脈圧、気道内圧などの肺機能を有意に改善することがわかり、電子顕微鏡下の観察でも内皮細胞障害は少なく、さらにanti-rat granulocyte antibodyを用いた免疫染色でもdbcAMPはgranulocyteの凝集を減らし、細胞接着を抑制することが示された。従って、肺再潅流障害の軽減に有効であることが証明された。
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