研究課題
基盤研究(C)
テクネガスを使用したSPECTによる肺換気シンチにより肺体積の測定を行う方法を検討した。測定装置としてシンチカメラ及びデータ処理装置はGCA7200/DI(東芝)を用い、コリメーターはLOW ENERGY GENERAL PURPOSEを用いた。測定方法は、テクネガス発生装置で作成したテクネガス3mCiを仰臥位で吸入させた後SPECTでデータの収集を行った。続いて画像再構成はBUTTERWORTH FILTERによる前処理の後RAMP FILTERによる重畳積分法にて行った。さらに画像処理として、SPECT画像によりVoxel法にて肺体積測定を行った。Threshold levelは、4例における肺換気シンチによる肺体積測定と呼吸機能検査に基づく実測肺体積の検討から15%に設定した。一方、SPECT画像の側面像にて葉間が容易に設定できることもわかった。そこで、肺切除予定患者においてテクネガスを用いたSPECT像を用いて肺体積と手術後に残る肺体積を算出し、この比を求めて術後の呼吸機能を予測した。これまで9例において術後1ケ月の呼吸機能検査に基づく実測値と予測値を比較検討したが、肺活量は相関係数0.931(p<0.0003)、1秒量は相関係数0.932(p<0.0003)は良好な相関をしめしていた。一方、過去に肺切除術の既往のある症例では肺血流と換気のミスマッチが増大しており、換気シンチでの予測の方が実測値により近似していることが認められた。現在さらに症例の集積を行うとともに術後3ケ月、術後6ケ月の呼吸機能との比較検討及び肺血流シンチによる予測との比較検討中である。