研究概要 |
テクネガスを使用したSPECTによる肺換気シンチの肺体積測定およびその肺切除術後の呼吸機能予測における有用性について検討した。正常肺機能の4人に対して、テクネガスを使用したSPECTによる肺換気シンチにより得られた画像から肺体積を算出し、実測の肺体積と比較検討した。その結果、Threshold levelを15%に設定することで、実測値に最も近似した肺体積の測定が可能であった。テクネガスを使用したSPECTによる肺換気シンチから肺体積測定を行う方法(Threshold level 15%)を用いて、肺切除術後の呼吸機能(forced vital capacity(FVC)・forced expiratory volume in first second(FEV_<1.0>)・maximal voluntary ventilation(MVV))の予測を行った。肺切除術を予定している肺癌患者26例を対象として、術前と術後1・4・6ヶ月の呼吸機能検査(FVC・FEV_<1.0>・MVV)及びテクネガスを用いた肺換気シンチによる術後呼吸機能予測を施行した。FVC予測値は術後1・4・6ヶ月の実測値との間に強い相関(r=0.720〜0.797,p<0.0005)を示した。FEV_<1.0>予測値は術後1・4・6ヶ月の実測値との間に強い相関(r=0.723〜0.792,p<0,00005)を示した。MVV予測値も術後1・4・6ヶ月実測値との間に強い相関(r=0.730〜0.750,p<0.0005)を示した。また、従来から施行されている^<99m>TcMAAを用いた肺血流シンチによる術後呼吸機能予測とテクネガスを用いた肺換気シンチによる術後呼吸機能予測をその相関係数から比較すると数値上はテクネガスを用いた肺換気シンチによる術後呼吸機能予測が良好な値を示しており、テクネガスを用いた肺換気シンチによる術後呼吸機能予測の有用性を示唆するものと思われた。
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