研究課題/領域番号 |
08671532
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 翼 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (10110496)
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研究分担者 |
内藤 光三 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (20217623)
上野 哲哉 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (10184954)
夏秋 正文 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (90075557)
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キーワード | 心臓血管内視鏡 / 自己大動脈弁温存手術 / 大動脈基部再建 / sinotublar junction |
研究概要 |
1。実験的研究 (実験方法)雑種成犬を用いて、心臓から大動脈弓部まで摘出し、Tyrode液を大動脈基部と左心房から灌流し、摘出拍動心を作成した。まずコントロールとして正常な大動脈弁の収縮期における開放運動と拡張期における接合(coaptation)を内視鏡的に観察した。次に大動脈基部拡大モデルを以下のごとく作成した。上行大動脈を切開し、フェルト付の針糸を内側より外側に刺入し、索引する場所によって次の3群に分けて内視鏡的に観察した。1群:sinotubular junctionレベルの各交連部とその中間に計6ヵ所。 2群:交連部3ヵ所。3群:交連部中間の3ヵ所。牽引する重量を変化させて検討した。 (実験結果)コントロールでは収縮末期に大動脈弁は全開放し、拡張末期に接合は良好であった。大動脈基部拡大モデルでは、1群:拡張末期期の大動脈弁の接合は不充分で閉鎖不全が示唆された。2群:1群と同様であった。3群:接合は良好であった。牽引する重量が増加するほど1、2群は接合部開放面積が拡大したが、3群では接合は良好であった。以上の結果より、sinotubular junctionの拡大が大動脈弁閉鎖不全の原因となりうることが証明された。 2。臨床的検討: 現在まで自己大動脈弁温存手術を6例に施行した。5例の術前術後に心臓血管内視鏡を用いて温存手術の評価を行い、弁不全の機序、術式の選択、弁形成後の評価に非常に有用であった。
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