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1996 年度 実績報告書

機能性蛋白質化学固定人工血管における内皮細胞の増殖とコラーゲン産生能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08671539
研究種目

基盤研究(C)

研究機関酪農学園大学

研究代表者

泉澤 康晴  酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (60193380)

研究分担者 佐久間 まこと  北海道大学, 医学部, 助教授 (70170636)
山下 和人  酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (60244844)
谷山 弘行  酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (90133800)
キーワード機能性タンパク質 / 化学固定 / 人工血管 / 培養血管内皮細胞 / イヌ / SEM / 光顕
研究概要

【材料および方法】
1.機能性タンパク質化学固定人工血管:内径4mm、繊維長30μmのePTFEをベースにした以下の10種の機能性タンパク質化学固定人工血管を作成(カッコ内は固定量)を作成した。
BPE/MA(229/171),TGF-α/MA(153/178),TGF-α/FN/MA(26/174/175),apo-transferrin/MA(182/232),(apo-transferrin/MA(155/209),Fe-citrate/MA(182/213),Fe-citrate/FN/MA(156/169/195),insulin/MA(442/151),insulin/FN/MA(327/230/153),transferrin/MA(185/148)
2.培養血管内皮細胞の発育状況の観察:イヌの大動脈からクローニングした血管内皮細胞の浮遊液中に人工血管を設置し、至適条件下での培養を行い、培養開始後10,16日目に細胞数のカウントおよび形態学的観察(光顕,SEM)により、人工血管上で内皮細胞の発育状況を観察した。
【結果】
血管内皮細胞は,化学固定したePTFEでは経時的に増殖し,中でもinsulin/MA,trandferrin/MAが細胞数、コロニー形成細胞数とも多かった。すべてのePTFEにおいて、球状の血管内皮細胞が繊維間隙に入り込んでいるのが散見された。光顕では、血管内皮細胞は観察されなかった。従って、当初予定していた人工血管に接着増殖する内皮細胞が産生するコラーゲンの局在および定量、コラーゲンタイプの検索は実施できなかった。
【考察】
ePTFEに機能性タンパク質を化学固定することによって、培養血管内皮細胞の接着増殖が促進されることが確認された。これは、生体内での血管内皮細胞の想起接着、移動、伸展を誘導する可能性を示唆するものである。しかし、通常一般の培養で見られる敷石状増殖はなく、播種時における内皮細胞のプレート底への落下、光顕試料作成の一連の操作において内皮細胞が剥離するなど、全体として細胞接着性が悪かった。これは、ePTFE本来の高い高血栓性、すなわち組織親和性に乏しいことが、化学固定された機能性蛋白質の効果を超えて、内皮細胞の接着や増殖を妨げているものと考えられた。次年度は、本材料を用いたイヌでの移植実験を行い、人工血管としての有用性を検討する。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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