研究課題/領域番号 |
08671553
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
藤原 巍 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90090224)
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研究分担者 |
福廣 吉晃 川崎医科大学, 医学部, 助手 (20228927)
森田 一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30200413)
村上 泰治 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10142332)
望月 精一 川崎医療短期大学, 医用電子技術, 講師 (60259596)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
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キーワード | 一酸化窒素 / ニードル型NOセンサー / 冠循環 / 心筋虚血 |
研究概要 |
[目的]本研究は微細NOセンサによる心臓局所でのNO濃度変化をリアルタイム計測に対する微細NOセンサの適応性と、本計測法によってNOの冠循環への関与、心筋虚血・再灌流障害との関係について検討することである。平成8年度は、NO放出量測定用ニードル型NOセンサーおよびシステムの評価;L-NMMA、L-NAなどによるNO合成阻害;冠灌流圧変化;虚血時間の影響について検討を行った。 [結果]L-arginineまたはL-NAを添加し、灌流すると、それぞれ灌流開始直後からNO濃度は上昇、または低下し、冠循環系において、速い時間応答でNOの濃度が調節されることが観察された。灌流圧の上昇による冠流量増加伴い冠灌流液中のNO濃度も増加した。全心虚血後の冠灌流液中のNO濃度の経時変化は、1分虚血後では、一峰性の経時変化を、また10分虚血後では、二峰性の経時変化を示した。 [まとめ]心臓でのNOリアルタイム計測に対して、本計測法の有効性が示された。冠灌流圧変化、心筋虚血に対し、NOは、速い時間応答で生成、放出され、冠循環調節に関与するものと思われた。また心臓の虚血再灌流時のNO生成パターンには、再灌流に伴うShearstressの急激な変化と共に虚血時間が関与しているものと考えられた。 [今後の展開]NOは反応性が高く、活性酸素(・02_-)など他の生体内ラジカル種と容易に反応することから、NOと他のラジカル種との相互作用が冠血流に影響を及ぼし、さらには冠循環を障害する可能性があり、NOとNOを介した冠血流調節に対する他のラジカル種の影響を検討する予定である。
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