研究課題/領域番号 |
08671554
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
川原 克信 福岡大学, 医学部, 助教授 (80152990)
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研究分担者 |
白石 武史 福岡大学, 医学部, 助手 (10216179)
岡林 寛 福岡大学, 医学部, 助手 (40194378)
白日 高歩 福岡大学, 医学部, 教授 (20038863)
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キーワード | 気管移植 / 異種移植 / 冷凍保存 / FK506 / Deoxyspergualin |
研究概要 |
【実験方法】体重30〜40kgのブタより気管を採取し-80℃で1〜3週間冷凍保存した。体重14〜20kgの雑種成犬に摘脾を行い1週後に、縦隔気管を5軟骨輪切除して、解凍したブタ気管5軟骨輪を同所性に移植し有茎大網で被覆した。免疫抑制剤の種類によってイヌを次の4群に分けた。 1群.FK506 0.15mg/kg/day 筋注(n=5)、 2群.DSG0.8mg/kg/day 筋注(n=6)、 3群.FK506 0.1mg/kg/day+DSG 0.6mg/kg/day・筋注(n=2)、 4群.DSG0.8mg/kg/day筋注+methylpredonisolone 4mg/body経口(n=3) 5群.FK506 0.1mg/kg/day,DSG 0.6mg/kg/day筋注+methylpredonisolone経口4mg/body(n=4) 【結果】生存期間:移植後7〜12日目に6頭が衰弱、肺炎で死亡した。14頭が8〜57日生存したが、気管の高度狭窄のため犠牲死させた。57日生存したイヌはTチューブをグラフト内にステントとして留置した。術後4週目には気管粘膜の再生は良好であったが、Tチューブを除去すると狭窄をきたすため犠牲死させた。 気管支ファイバー所見:術後グラフトの粘膜は白色調で高度の阻血性変化を示し、1週目には次第に壊死性となり、2週目以後は高度の瘢痕性狭窄を示した。各群も同じ経過を示し差はみられなかった。 Microangiographyの所見:術後1週目には移植気管の外膜側に微小血管の新生がみられるが粘膜下への血流の再生は2週目でもみられなかった。各群間に差はみられなかった。 【小括】ブタ気管は移植後2週目には高度の狭窄をきたす。拒絶反応による微小循環障害によるものと思われ、FK506、DSGの単独もしくは併用、methylpredonisoloneとの併用で防止することは出来ない。しかし、気管内ステントを用いることによって、長期生存が期待できる。
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