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1997 年度 実績報告書

異種気管移植の実験的検討,特に冷凍保存による抗原性低下の可能性について

研究課題

研究課題/領域番号 08671554
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福岡大学

研究代表者

川原 克信  福岡大学, 医学部, 助教授 (80152990)

研究分担者 白石 武史  福岡大学, 医学部, 助手 (10216179)
岡林 寛  福岡大学, 医学部, 助手 (40194378)
白日 高歩  福岡大学, 医学部, 教授 (20038863)
キーワード気管冷凍保存 / 気管異種移植
研究概要

【実験方法】ラット凍結気管の腹腔内移植モデルを作成し、同系、同種、異種移植における移植片の生着状況、拒絶反応の発現をHE染色、m-AbCD4,CD8による免疫組織染色を行って組織学的に検討した。凍結保存は-80℃、2週間および4週間とし、1週目、2週目に犠牲死させた。動物を1群(n=12):同系移植(F344→F344ラット)、2群(n=16):同種移植(BN→F344ラット)、3群(n=16):異種移植(モルモット→F344ラット)の3群に分けた。CD4,CD8は全視野で染色陽性細胞数10個以上を陽性と判定した。
【結果】
組織所見:1群では内腔の狭窄・閉塞は全くみられず、1、2週目ともに全てのラットで中等度の細胞浸潤、扁平上皮〜円柱上皮の再生が認められた。2群では1、2週目ともに50%のラットで上皮の再生が認められず、高度の炎症細胞浸潤を伴い、内腔の狭窄がみられた。50%に扁平上皮の再生、中等度の炎症細胞浸潤がみられたが狭窄はなかった。2週目も同様の所見を示し、3群では内腔は繊維・瘢痕化し閉塞しており、1、2週目ともに上皮の再生は全く認められなかった。各群とも、即時移植片、2、4週間保存片に差はみられなかった。
【結論】
モルモットからラットへの気管異種移植において、移植気管は2週目に気管内膜の肥厚により完全閉塞し、粘膜上皮の再生は全く認められずgraft failureとなった。CD4陽性細胞が著明な増加を来していたことから、細胞性免疫機構による拒絶反応が原因と考えられる。冷凍保存期間による差はみられず、4週間以内の冷凍保存は免疫能に著名な影響を及ぼさないことが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 三上公治, 川原克信, 他: "冷凍ブターイヌ気管移植の実験的検討" 日本胸部外科学会雑誌. 45. 1407-1407 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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