研究概要 |
麻酔下ラットをウレタンフォーム上に固定し頭蓋骨を露出して鋼製プレートを頭蓋骨上に固定し、450gの重りをプレートをめがけて自然落下させて実験モデルを作成した。まず、至適落下高度の検討を行い、文献上の報告による2mの高さよりの落下では大半の動物が死亡し、1mの高さよりの落下では、組織学的変化に乏しいことを確認した。1.5mの高さより落下させることにより、retraction ballなどの組織学的変化を得ることができ、以後の実験に用いることとした。同モデルでの損傷後の神経細胞、グリア細胞中における各種ストレス反応遺伝子発現についてc-fos,hspなどについて検索中である。また、栄養因子受容体であるtrk A,trk b,trk cの発現をノーザンブロット法を用いて検索中である。現在の所、個体数が少なく一定の結論がいまだ得られていないが、今後の検討により新たな知見が期待される。中枢神経系への神経栄養因子の投与方法については、アテロコラーゲンミニペレットによる徐放性の投与方法を開発中である。BDNFに関してペレットの効果を、過去に確立した顔面神経損傷モデルを用いて検討し、神経損傷の回復促進効果が得られることを認めた。
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