研究課題/領域番号 |
08671615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
吉田 一成 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70166940)
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研究分担者 |
石森 久嗣 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30286489)
島崎 賢仁 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00265836)
各務 宏 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80255471)
佐々木 光 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70245512)
稲葉 真 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00245507)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | サイトカイン / ニューロン / アストロサイト / 神経栄養因子 / 細胞接着因子 |
研究概要 |
当教室では、サイトカインにより活性化されたアストロサイトが、脳損傷時の神経機能維持、再生に重要な役割を果たしていると想定し、fibroblast growth factor(FGF)、interleukin-1β(IL-1β)、tumor necroting factor-α(TNF-α)、epidermal growth factor(EGF),transforming growth factor-β1(TGF-β1)などの、脳障害の際に供給される各種サイトカインが、アストロサイトによるnerve growth factor(NGF)をはじめとする様々な神経栄養因子の産生もしくは分泌を増強することを明らかにしてきた。 本研究期間中、我々は、培養アストロサイトに発現する18、22、24-kD bFGF isoformのうち、IL-1β、TNF-α、EGFが22、24-kD isoformの発現量を選択的に増量し、さらに、発現が増強したbFGFはアストロサイトの細胞質から核内に移行することを明らかにし、神経再生過程におけるbFGF isoformの発現の重要性が示唆された。 アストロサイト培養上清中には脳幹コリン作動性運動神経細胞のChAT活性を増強する神経栄養因子が存在することを示し、この因子は既存の栄養因子とは異なる新たな生理活性物質であることを明らかにした。さらに、IL-1β、TNF-αの刺激によりアストロサイト培養上清のPonsコリン作動性ニューロンに対する神経栄養効果が増強されることを明らかにした。 アストロサイトに発現する細胞接着因子であるneural cell adhesion molecule(NCAM)も、神経細胞の移動、神経突起の誘導・伸長などに関与し、神経栄養効果を有しているが、TGF-β1がアストロサイトのNCAM発現量を増強することを明らかにした。 我々は、hepatocyte growth factor(HGF)の膜受容体であるc-Met蛋白が、培養アストロサイトに発現する事を明らかにした。さらに、サイトカインによりc-Metの発現が増強することを明らかにした。
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