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1997 年度 実績報告書

先天性水頭症の発生機序解明に関する分子生物学的研究と遺伝子治療の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08671616
研究種目

基盤研究(C)

研究機関順天堂大学

研究代表者

佐藤 潔  順天堂大学, 医学部, 教授 (10112707)

研究分担者 宮嶋 雅一  順天堂大学, 医学部, 講師 (60200177)
新井 一  順天堂大学, 医学部, 助教授 (70167229)
キーワード先天性水頭症ラットHTX / ヒト水頭症 / CNP / 髄液
研究概要

【目的】CNPは脳に特異的に存在するナトリウム利尿ペプチドであるが、このペプチドに対するリセプターは広くアストロサイトに存在することが知られている。アストロサイトはフットプロセスを介して血管内皮細胞と、また、他のプロセスを介して神経細胞や脳室上衣細胞と接する事により、中枢神経系の水分電解質調節に重要な役割を演じていることも報告されている。本年度は先天性水頭症ラットと水頭症患者における髄液中のCNP濃度を測定することにより、アストロサイトを中心に展開される中枢神経系の水分電解質の調節にCNPが如何なる役割を有するかを検討した。【方法】動物実験には4週齢の先天性水頭症ラットHTXを用い、脳室の拡大の程度をcerebro-ventricular ratioにより計測した。その内訳は脳室拡大を認めない群53匹、軽度脳室拡大を認める群4匹、著明な脳室拡大を認める群26匹であった。臨床例は、対照群10例(年齢:1ケ月より71歳、平均年齢:46歳、男女比:4:6)、水頭症患者群15例(年齢:1ケ月より81歳、平均年齢:34歳、男女比:7:8)、治療後水頭症患者群10例(年齢:1ケ月より53歳、平均年齢:17歳、男女比:4:6)である。これらの症例の髄液中のCNP濃度をradioimmunoassay法にて測定した。【結果】CNP濃度は先天性水頭症ラットの脳室拡大を認めない群:3.33±0.44pg/ml,軽度脳室拡大を認める群:9.15±2.09pg/ml,著明な脳室拡大を認める群:17.04±4.25pg/ml,と水頭症の程度に応じて増加していた。臨床例では、対照群:3.72±1.65pg/ml,水頭症患者群:15.84±8.98pg/ml,治療後水頭症患者群:3.37±1.55pg/mlであり、臨床例においても髄液の循環障害のある例では高値を示した。さらに、治療群では対照群と同程度の濃度を示した。【結論】髄液循環のMajorpathwayが障害された水頭症では、代償性に経脳室壁髄液吸収が増加しており、CNPは中枢神経系の水分電解質の調節に重要な役割を演じている事が推察される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Miyajima M, Nornes HO, Sato K, Neuman T: "Overexpression of E2F1 in astrocytes leads to neoplastic transformation and changes in expression of retinoblastoma family members" J Neuroscience Res. 46. 108-113 (1996)

  • [文献書誌] Wachi A, Sato K: "Similarity of intracranial biomechanical enviroment in identical twins with external hydrocephalus." Child's Nerv Syst. 13. 633-635 (1997)

  • [文献書誌] 和智明彦, 佐藤 潔: "最新内科学大系" 中山書店, 181-199 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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