研究課題/領域番号 |
08671649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小林 千益 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (40205464)
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研究分担者 |
谷川 浩隆 信州大学, 医学部, 助手 (40262711)
高岡 邦夫 信州大学, 医学部, 教授 (30112048)
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キーワード | 関節軟骨 / 変形性関節症 / 膝関節 / 最表層 / 潤滑 / ウサギ |
研究概要 |
関節軟骨表面のコラーゲン線維と細胞を欠く『(無定形)最表層』は、関節の潤滑に寄与し、外来性酵素の侵襲から軟骨を保護していた。ウサギの膝の関節表面を擦過し最表層を削除したところ高率に変形性関節症を生じた。その発生頻度にはウサギの成熟度や活動性よりも、擦過した関節表面の範囲の大小の方がより強く影響していた。擦過範囲が狭い場合は関節症の発生率が低くかった。この結果を受けて、擦過する範囲の大小によって、変形性関節症を生じる群と生じない群を分けることにした。 成熟ウサギを用いて、擦過範囲を大腿骨関節面の中央3分の1の部分に限定した群と、大腿骨関節面のほぼ全域を擦過した群を作り比較した。その結果、擦過範囲を大腿骨関節面の中央3分の1の部分に限定した群では関節症の発生がなかったが、大腿骨関節面のほぼ全域を擦過した群では高率に変形性関節症を生じた。凍結走査電子顕微鏡による観察では、擦過範囲の狭い群では、擦過部の軟骨表面に最表層様の無定形物質を認めた。この無定形物質の出現の時期は、擦過後1週間以内の早期であり、この時期には擦過によって障害された関節の摩擦係数が回復していた。大腿骨関節面の広範囲を擦過した群では、変形性関節症を高率に発生し、その軟骨表面には最表層様の構造を認めず、悪化した関節の摩擦係数の回復が不良であった。よって、この最表層様構造の再生の有無が、関節症の発生の有無と係わっていることが示唆された。 平成9年度は、これらの2実験群における変化を、ヘマトキシリン-エオジン染色とサフラニン0-ファーストグリーン染色による標本の光学顕微鏡像、透過電子顕微鏡像や、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、プロテオグリカンコア蛋白、ケラタン硫酸、デルマッタン硫酸の免疫組織化学染色像でより詳細に検討する予定である。
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