研究概要 |
A)基礎的研究 (1)白色家兎を用いた動物実験 白色家兎雄8週齢(約2kg重)10羽を用いて,下腿骨中央部をミニ電動鋸切断,オルソフィクス創外固定器M-100を装着する.術後1週から1日1mmの割合で14日間の延長を行い,その延長期間中に低出力非侵襲超音波パルス(30mW/cm2)を照射する.延長終了後3,6,9週で屠殺,骨切り部の組織像の検索を行い,非照射群と対比させた.その結果,照射群は非照射群に比べて,有意に仮骨形成の良好なことがX線学的及び組織学的に認められた. B)臨床的研究 (1)大腿骨脚延長術における超音波骨折治療器(SAFHS)の骨癒合促進効果 大腿骨仮骨延長法を施行した5例に対して,延長期間中SAFHSを1日20分間照射,仮骨形成状態をX線学的に評価した.その結果,仮骨形成状態は照射群では過形成型を呈したが,非照射群では正常形成型か低形成型であった. (2)動的歪ゲージ法における骨癒合判定法 下肢長幹骨の仮骨延長法や高位脛骨骨切り術11例に対して,オルソフィクスやイリザロフ創外固定器を用い,ピンやワイヤーに貼付した単歪ゲージの歪量をテレメトリー装置(日本電気三栄製)を用いて計測,同時に床反力計の上を3サイクル歩行させ,垂直応力負荷のFz値と対比した.その結果,動的歪ゲージ法の歪-時間曲線はFz値と高い相関関係を示した.また,従来行ってきた静的歪ゲージ法の歪量と正の相関関係を認めた.
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