研究概要 |
《目的》venous flapにおけるplasmatic imbibitionの意義についての検討。 移植母床からの血行が再開されるまでの期間のplasmatic imbibition単独での皮弁の栄養について検討した。温存する静脈からの栄養を除外するために、全層植皮およびmusculocutaneous graftで血管を含まない移植片の2種類を作成し、植皮片内の細胞が、plasmatic imbibition単独の栄養で、外来性に投与されたチミジンの同位体であるBrdUを取り込み、細胞分裂をなしうるかについて観察した。 《結果》移植片全層の細胞にBrdUの取り込みを認めたことより、これら2種類血行を含まない移植片においても、plasmatic imbibition単独で細胞分裂をさせうる程度に皮弁内の細胞を栄養しうることが判明した(American Society for Reconstructive Microsurgery,Hawaii,January 16-19,1999発表)。これらplasmatic imbibitionは移植初期において、生着率に差がある静脈のみ温存した静脈皮弁とmusculocutaneous graftに差を認めなかったことより、静脈の温存は血行が再開するまでの期間であるplasmatic imbibitionの後半に起こることが推察された。 次にplasmatic imbibitionが起こる後半の移植後3日での皮弁のviabilityについて検討した結果、創傷治癒過程で出現する蛋白の局在性が静脈を温存しない群において消失していた。このことは、静脈の温存する静脈皮弁と静脈の温存しないmusculocutancous graft間でplasmatic imbibitionの後半において栄養に差があることを示していることが判明した。
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