平成8年:delay arterialized venous flap 生着の実験的証明 《方法》20羽家兎の両耳で中枢部に中心動・静脈shuntを作製する。2週間後に4x3.5cmの皮弁をshunt末梢に作製する。皮弁作成後1ヶ月間経時的に蛍光法、組織学的、血管造影で生着過程を検索する。 《結果》以前作成した全層植皮は壊死に陥り、axial pattern flapは13cmが生着した。この皮弁は11cm2が生着し、axial pattern flapに近い生着面積を得た。 平成9年度:全層植皮片とmusculocutaneous graftにおけるplasmatic imbibitionの意義の検討 ラット背側2x3cmの全層植皮片とmusculo cutaneous graft作成する。各皮弁上に約1cm深さ約1.5mmの創を作成する。BrdUを投与し、plasmatic imbibitionにより運ばれたBrdUが皮弁内の創縁表皮核内に取り込まれるか否かを検討する。 《結果》plasmatic imbibition単独で細胞分裂をさせうる程度に皮弁内の細胞を栄養しうることが判明した。またこの現象はplasmatic imbibitionの後半に起こることが推察された。 平成10年度:proliferative cell nuclear antigen抗体を用いた免疫学的検討 《方法》proliferative cell nuclear antigen抗体を平成9年度と同じ組織に用い、移植直後と移植後3日目の状態を免疫組織学的に検討。 《結果》創傷治癒過程で出現する蛋白が術直後は出現したが、術後3日目では消失していた。plasmatic imbibitionの後半に生じていることが判明した。
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