研究概要 |
平成9年度は、白色家兎18匹を用いて耳介背側に動脈を含まない6×4cmの有茎静脈皮弁を作製し血管茎に含まれる組織の違いにより以下の3群を新たに作製した。 Group4(N=6);血管束をAreolar tissueと神経束とする。 Group5(N=6);血管束をAreolar tissueのみとする。 Group6(N=6);血管束を静脈のみとする。 血管茎の長さは6cmとして、耳介基部まで剥離して皮下トンネルを通して頭蓋骨面上に移植した。結果は、肉眼的所見を写真にとってコンピュウタ-上で画像処理を行い移植後2週間で判定した。 Group4では全例が部分生着で完全生着はなかった。生着面積は15.65±5.46%,表皮壊死をきたしたものの最終的な生着面積は22.46±5.82%であった。Group5,6は、全例完全壊死であった。 さらに、microangiographyならびに組織学的検討を行った。 これらの結果と昨年度の実験結果をあわせて考えると、血管茎内の神経及びその周囲のareolar tissueの中に存在する微小血管系が皮弁生着に関与する可能性が示唆された。これらの結果の一部は、すでに臨床応用され、1997年5月22-26日にPerth,Australiaで開催されたlnaugural Scientific Meeting of the Asaian Pacific Feder ation of Societies for Surgery of the Handにおいて発表し、論文は英文でBritish Journal of Plastic Surgeryに投稿し、現在revise中である。また、1998年5月24-28日に開催される7th Congress of the International Federation of Societies for Surgery of the Handにoral presentationとしてAcceptされ発表予定である。
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