研究課題/領域番号 |
08671688
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
高岸 憲二 北里大学, 医学部, 教授 (70154763)
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研究分担者 |
牧野 耕文 北里大学, 医学部, 助手 (10238884)
関口 昌和 北里大学, 医学部, 講師 (90196957)
大野 司 北里大学, 医学部, 講師 (50146461)
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キーワード | 変形性関節症 / II型コラーゲン / プロテオグリカン / 抗体 / 血清 |
研究概要 |
変形性関節症(OA)の特徴は関節軟骨の変性、磨耗と増殖が混在する慢性、進行型、非炎症性の関節疾患であるこの疾患の原因は決して単一でなく、力学的栄養学、遺伝学的障害などの複合的要素と考えられている。中でも関節軟骨基質の二大構成成分であるII型コラーゲンおよびプロテオグリカンに対する免疫反応の関与が注目されている。もし、OAの一部に二次的にせよこれらの軟骨基質構成成分などに対する免疫反応は関与している症例があるとするとこの範疇に属するOAに対する保存的治療は現在施行されている治療法とは異なってくる可能性がある。われわれは従来からOA発症機序におけるII型コラーゲンおよび軟骨型プロテオグリカンに対する免疫反応の関与に注目してきた。ヒトのOA患者におけるII型コラーゲンに対する免疫反応の関与を調べる目的で、ヒトのOAにおける血清中抗II型コラーゲン抗体価を測定した。ヒト血清においては100名の正常健常人の血清中抗II型コラーゲン抗体価は高値を示したものは一例もない。それに対してOA患者血清中においては60名中1名に明らかな高値を示した。また、慢性関節リウマチ患者においては高頻度に明かな高値を示した。また、血清中のプロテオグリカンに対する抗体は正常人、RAおよびOA患者とも比較的高値を示すものが多かった。これは非特異的反応なのか、もしくは真に抗プロテオグリカン抗体価が高いのか今後更に実権を行い検討するを必要がある。以上より人のRAの発症機序には免疫反応は明らかに存在するが、OAの発症機序に免疫反応が存在するかについては今後更に検討を要する。
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