人口関節置換術時に関節症関節骨軟骨及びその辺縁の増殖性骨軟骨(骨棘)を採取し、RT-PCR(Reverse Transcription-Polymerase Chain Reaction)法を用いて成長因子の遺伝子発現を検討した。 ヒト変形性関節症において、人口股関節置換術あるいは人工膝関節置換術時において手術時に骨棘を採取する。材料より得られた骨棘組織よりグアニジンを用いてリボ核酸(RNA)を抽出し、このRNAをもとにcDNAを作製し、これを増幅して電気泳動することにより遺伝子の発現を検討した(RT-PCR法)。 骨棘よりのRNAの抽出においては、処理中の分解が顕著であり、十分な品質のRNAを得ることは困難である。しかし、最近実験に供しうる材料が得られるようになり、RT-PCR法を試みた。その結果、骨棘においてはその他の部位の骨組織と比較し、トランスフォーミング成長因子(TGF-β)が多く発現している傾向が認められた。しかしながら得られた検体数が少ないため今後十分な検討が必要と考えている。
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