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1997 年度 実績報告書

変形性関節症における反応性骨軟骨増殖部位での成長因子の役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08671690
研究機関北里大学

研究代表者

泉 敏弘  北里大学, 医学部, 講師 (90253426)

研究分担者 内野 正隆  北里大学, 医学部, 助手 (90255323)
関口 昌和  北里大学, 医学部, 講師 (90196957)
キーワード変形性関節症 / 骨棘 / 骨軟骨形成 / 成長因子 / TGF-β / bFGF / RT-PCR法 / 免疫組織化学
研究概要

変形性関節症においては、骨軟骨の破壊と共に自らの修復反応として骨軟骨の増殖性変化が生じ、骨棘として認められる。骨軟骨の増殖、分化には、様々な成長因子が関与していると考えられており、我々は、成長因子の骨棘形成における関与を検討するために、トランスフォーミング増殖因子(TGF-β)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の骨棘における発現を観察した。
(方法)変形性股関節症症例の人工関節置換術時に骨頭より骨棘を採取し、リボ核酸(total RNA)を抽出後、RT-PCR(Reverse Transcription-Polymerase Chain Reaction)法を行い、TGF-βおよびbFGFのメッセンジャーRNA(mRNA)発現量を半定量化した。対照として、変形性股関節症症例および大腿骨頭壊死症例の骨頭海綿骨を採取し、同様の処理を行った。
また、採取した骨棘を10%ホルマリン固定後、脱灰、パラフィン包埋し、切片を作製した。抗TGF-β1抗体を用い、Streptavidin-Biotin法による免疫組織染色を行った。
(結果)TGF-β1 mRNAの発現は、変形性股関節症の骨棘10例中全例(100%)、および骨頭海綿骨4例中1例(25%)に認められたが、その発現量は様々であった。一方、大腿骨頭壊死の4例には発現が認められなかった。bFGFmRNAは、変形性股関節症の骨棘8例中全例(100%)、骨頭海綿骨1例に発現していたが、大腿骨頭壊死の2例には見られなかった。
免疫組織学的には、TGF-β1は骨棘の軟骨表層部の細胞質内に認められた。
(考察)変形性股関節症における骨棘にTGF-β1のmRNAと蛋白が確認された。TGF-β1が骨軟骨の形成を促進するという報告があり、TGF-β1が変形性関節症における骨棘形成に関与することを示唆している。また、bFGFのmRNA発現も同様に認められたことにより、TGF-β1だけでなく、bFGFも変形性関節症の骨軟骨形成に関与していると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 内野正隆、他: "変形性股関節症の骨棘における成長因子の発現" 日本整形外科学会雑誌. 71.8. S1771 (1997)

  • [文献書誌] 内野正隆、他: "変形性股関節症の骨棘における成長因子の発現" 第11回日本軟骨代謝学会 抄録集. 78 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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