研究課題/領域番号 |
08671702
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
後藤 武史 久留米大学, 医学部, 講師 (50178448)
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研究分担者 |
田川 善彦 久留米工業大学, 機械工学科, 教授 (70122835)
志波 直人 久留米大学, 医学部, 講師 (20187389)
山中 健輔 久留米大学, 医学部, 教授 (10080821)
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キーワード | 歩行解析 / バイオメカニクス / 足底圧 / 床反力 |
研究概要 |
【目的】本年度は、今後の臨床実験に備えて、使用する足底圧分圧測定システム(F-SCAN)の基礎的な再現性や特性を知るための実験を行った。 【方法】健常人9名、平均年齢26歳(24-29歳)を用い、一般に使用する運動靴を用いて、床反力計を設置した歩行路上を歩行させた。靴の中には足底板を挿入し、実験1:F-SCANセンサーを足底板内に挿入した場合と、実現2:足底板上に挿入した場合、の二種類の実験を行った。実験の条件は1.自由歩行、2.遅い歩行(歩調60)、3.速い歩調(歩調120)とした。それぞれ計5試行行い、平均値を算出し、同時に測定した床反力垂直分力波形と比較した。比較は垂直分力の二つのピークとその間の谷の三つの値を用いた。 【結果】床反力との比較でF-SCANは30%程度小さな値を示した(t検定,p<0.01)。次にこれらの立脚全期の積分値をもとにF-SCANのデータを正規化して求め比較したところ、ほぼ同様の値となり、統計的にも有意差がなくなった。これは、センサーの挿入位置、歩行速度にかかわらず、同様であった。 【考察】厳密な校正を行うにもかかわらず、F-SCANから求める絶対値には許容できない誤差が発生した。これは立脚期の全波形を積分し、床反力とF-SCANが等しくなるように正規化をすることにより是正された。今後の臨床実験ではF-SCAN単独ではなく、床反力計と同時に使用し今回用いた同様の方法でデータを正規化して用いる必要があると考えられた。 【結語】床反力計との比較でF-SCANのデータは誤差が大きく、今後の臨床使用にあたっては、床反力計と同時に測定して正規化する必要がある。
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