研究課題/領域番号 |
08671702
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
後藤 武史 久留米大学, 医学部, 教授 (50178448)
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研究分担者 |
田川 善彦 久留米工業大学, 機械工学科, 教授 (70122835)
志波 直人 久留米大学, 医学部, 講師 (20187389)
山中 健輔 久留米大学, 医学部, 教授 (10080821)
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キーワード | 歩行解析 / 足底圧 / 生体力学 |
研究概要 |
【目的】 F-SCANのセンサーシートの特性やシステムの再現性等を知るためベンチテストと歩行実験を行った。 【方法】 ベンチテスト:床反力計上に厚さ2mmのインソ-ル、F-SCAN、厚さ5mmのインソ-ルの順に置き、1)2.09Kgf、12.09Kgf、32.08Kgfの重錘を増減して置いた時、2)36.4Kgfの重錘を連続して置いた時の床反力計とF-SCANの鉛直分力値の経時変化を比較した。歩行実験:健常人9名に一般に使用する靴にF-SCANセンサーを挿入し、床反力計を設置した歩行路を歩行させた。歩行条件は自由歩行、遅い歩行(歩調60)、早い歩行(歩調120)とし、この時のF-SCANと床反力計の作用点軌跡と鉛直分力を比較した。 【結果】 ベンチテスト:重錘を増減して置いた時は床反力計の値に比べF-SCANの値は大きくなり、その差は減少させた時が大きくなった。連続して置いた時は一時的に低下するものの経時的に床反力計の値に比べF-SCANの値は大きくなった。歩行実験:作用点軌跡では、両方とも同様な軌跡となった。鉛直分力ではF-SCANが小さく成る傾向にあった。そこでF-SCANのデータを正規化すると、ほぼ同様な値となった。 【考察】 重錘を増減して置いた場合、重錘が増加する時は床反力計とF-SCANの値には大きな違いはないが、減少する時には両方のその値は大きな違いがあった。この現象がセンサーシートのヒステリシス特性と考えられた。また、連続して同一の重錘を置いた場合、経時的な変化が現れた。この現象がセンサーシートのクリープ現象と考えられた。鉛直分力において、F-SCANの値は床反力計の値より小さくなり、床反力計の波形を積分しその比で正規化を行うと両方の値がほぼ同様となった。このことより鉛直分力測定には床反力計との併用の必要性が示唆された。 【結語】 F-SCANの単独使用では、作用点軌跡のみ可能で、鉛直分力の測定には床反力計との併用が示唆された。
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