1) in vitro:超音波感受性非抗癌剤と抗癌剤の組み合わせ 最も有効な投与方法は抗癌剤投与後に超音波感受性非抗癌剤を投与し、超音波を照射する方法であった。薬剤の組み合わせではDoxorubicinとRose Bengalとが最も有効性を示していた。しかし、その効果は抗癌剤投与後時間の経過が長い程、培養細胞の致死率は高かった。 2) in vivo:骨軟部肉腫の肺転移性腫瘍への応用 骨軟部肉腫の転移の多くは肺に発生し患者の予後を悪化させている。この肉腫の肺転移腫瘍は肺表面の比較的浅い部位に発生する事がしられている。超音波照射には比較的条件の良い部位であるため、抗癌剤の投与方法と超音波照射のための基礎実験を行った。心臓からのPOS-1投与による肺転移腫瘍発生と動注化学療法の開発を行った。CDDPとADMの肺動脈動注による肺組織濃度を調べると、共に通常の静脈投与による濃度とは約3倍の高濃度を示していた。 3) in vivo:POS-1ヌードマウス移植腫瘍への超音波照射 移植後4週での小型固形癌の状態では抗癌剤と超音波照射により腫瘍の発育は抑制あるいは消失が認められ有効性があると考えられた。しかし、大型の固形癌の状態では、超音波照射のストレスによるためか固形癌の変化を生じる前に死亡していた。また、同時に超音波照射によって皮膚の熱傷を発生していた。この事実から、加熱による腫瘍細胞の壊死も否定できなかった。
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