研究概要 |
1.動物実験。8週令雌Sprague-Dawleyラット27匹をスタートコントロール群、動物群、非運動群(各9匹)の3群に分けた。運動群はランニングマシーンを傾斜15°、速度25m/minで30分間(3.80×B.W(gr)J)の運動負荷を7日間加えた直後に屠殺し、大腿骨遠位、脛骨近位、第5腰椎の骨密度をDEXAを用いて測定した。運動群では腰椎の骨密度は増加しなかったが、荷重のかかる大腿骨および脛骨では非運動群に比べて7.2%から8.5%増加した。また、左脛骨を摘出し、非脱灰硬組織標本を作製後、近位部海綿骨を形態計測した。運動群の海綿骨量は非運動群の19.7%に対して24.0%に増加した。 2、培養細胞実験。(1)、骨芽細胞様細胞MG-63細胞を用い、これを24well plateに培養し24時間後にserum freeとしさらに48時間後に密封チャンバー内に入れ、ヘリウムガスを挿入し10分間,0,150,760mmHgの加圧をした。加圧後22時間に[^3H]thymidineを加え24時間後のuptakeを測定した。150mmHgの加圧では56%のuptake増加がみられたが、760mmHgでは増加しなかった。加圧前にIGF-I20ng/mlを添加するとuptakeは5倍になり、さらに圧を加えると150mmHgで8%、760mmHgでは43%のuptake増加がみられた。 (2)、同様の細胞を6cm dishに培養し同様にserum freeとし、10%FBS、1,25(OH)_2D_3(10nM)、IGF-I(20ng/ml)を添加してtotal RNAを採取、Northern blottingによりオステオカルシンmRNAの発現を調べた。no serumおよび10%FBSでは発現しなかったが、D_3の存在下でIGF-Iを添加すると著明な発現が見られた。
|