研究概要 |
(1)加圧によるmRNAの発現 骨芽細胞様細胞MG-63細胞を用い6cm dishに培養し、24時間後に無血清倍地にした。48時間後に密封チャンバー内に入れ、ヘリウムガスを挿入し、150mmHg、10分間の加圧をした。圧迫後6時間のオステオカルシンおよびオステオポンチンmRNAの発現をNorthern blottingにより調べたが、加圧のみではいずれも発現しなかった。 (2)細胞増殖における圧迫時間のtime course 同様の細胞を24穴plateに培養し24時間後に1%FBS血清倍地にした。48時間後に0、3、10、30、60分間それぞれ150mmHgの加圧をし、[3H]thymidineのuptakeを測定した。10分までは直線的にuptakeが増加し、約1.9倍になったがそれ以上の加圧時間では変化は緩やかであった。 (3)各種セカンドメッセンジャーの抑制実験 同様の実験系で加圧前100分に各種リン酸酵素の阻害剤、及び伸展刺激イオンチャンネル阻害剤を前処置し、10分間、150mmHgの加圧をした。 H-7(10mM:protein kinase A阻害剤),staurosporine(10nM:protein kinase C阻害剤),NK-93(1mN:Ca2+/calmodulin dependent protein kinase阻害剤),gadolinium(10mM:stretch-activated mechanosensitive channel阻害剤),ではuptakeは抑制されず、Epithelial Na+Channel(ENaC)の阻害剤であるbenzamil(1mM)、およびtyrosin kinaseの阻害剤であるgenistein(10mM)によりuptakeが著明に抑制された。すなわち圧迫による細胞増殖にはEpithelial Na+ Channelおよびチロシンリン酸化が関与していることが示唆された。
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