脊髄におけるCyclooxygenase-2 (COX-2)の侵害刺激伝達に関する役割を検討した。COX-2 inhibitorとしては、NS398を用い、COX-1とCOX-2のnon-selective inhibitorとしては、indomethacinを用いた。侵害刺激としては、ラットフォルマリンテストを用いた。フォルマリンテストは、ラット後肢に5%フォルマリン50μlを皮下注し、その後の痛みの行動の回数により、疼痛の程度を評価した。上記の薬物を髄腔内へ投与し、そのフォルマリンテストに対する効果を検討することにより脊髄COX-2の役割と検討した。 NS398及びindomethacinをフォルマリン皮下注10分前に行うと、両者ともに同程度の痛みの行動の抑制作用がみられた。一方、NS398及びindomethacinをフォルマリン皮下注7分後に髄腔内投与すると、フォルマリンによる痛みの行動に対する抑制作用は見られなかった。 以上の結果より、COX-2は脊髄に存在しており、脊髄のCOX-2のより産生されるprostaglandinは、フォルマリンテスト時の侵害刺激伝達に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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