研究概要 |
平成9年度は平成8年度に作製した秘匿式安全情報レポートを浜松医科大学麻酔・蘇生学教室の関連病院に配布し,その主旨を説明した.また,静岡県麻酔科医会の総会で本研究の意図を説明し賛同を得積極的に麻酔安全情報レポートの提出を依頼した.静岡県外では新潟大学麻酔科に協力をもとめ賛同が得られたので,その関連病院にも秘匿式安全情報レポートの用紙を配布しレポートの収集に協力してもらった.その結果,全協力施設の年間手術件数を合計すると約1,8000症例になり,そのうち現在までに約50通以上のレポートが寄せられている.レポートのなかで緊急に対処が必要なインシデントレポートまだ発生していない.レポートのほとんどはヒューマンエラーか,機器の不具合煮よるものであり,前者に起因するものは約60%,機器の不具合に関連するものは約40%を占めていた.その原因については多岐にわたっており,まだ分類,分析するにはレポートの総数が圧倒的ん不足していた.今後以下の課題が上げられる.1)母集団がすくない.2)母集団の割にレポートの数も圧倒的に少ない.母集団は今後全国の施設に麻酔学会等を介して協力を働きかけることが必要である.レポートの数を増加させるにはレポートを提出したときのメリットを与える何らかの方策をたてない限り増加は見込めないと思われた.
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