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1997 年度 実績報告書

一過性脊髄虚血時のアデノシン受容体拮抗薬の影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08671758
研究種目

基盤研究(C)

研究機関琉球大学

研究代表者

平良 豊  琉球大学, 医学部・附属病院, 講師 (60144721)

研究分担者 島袋 泰  琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (50226221)
垣花 脩  琉球大学, 医学部, 助手 (10194680)
キーワード脊髄 / 虚血 / ラット / 麻痺 / 低血圧 / アデノシン / テオフィリン / プロペントフィリン
研究概要

平成9年度には、脊髄虚血後に起こる脊髄機能障害の発生機序におけるアデノシン受容体の役割を調べた。
1.脊髄虚血モデルの特性評価
1)大動脈遮断中に近位側大動脈圧を40mmHgに調節し、大動脈遮断中の脊髄の側副血行を減じたモデルにおいて、大動脈遮断時間がその後の後肢運動機能に及ぼす影響を術後72時間にわたって調べた。大動脈遮断を10分間行うと、100%(8/8)のラットが完全な対麻痺となった。8分の大動脈遮断では50%(4/8)がほぼ完全な対麻痺となり、残りは正常な歩行にまで回復した。6分間の大動脈遮断では一過性の後肢運動機能障害を示したが、最終的には100%(7/7)が正常歩行にまで回復した。以上の結果から、虚血性の脊髄障害に対して保護作用が期待される薬剤の評価には10分間虚血モデルを、また障害の増悪が予想される薬剤の評価には6分間虚血モデルを使用することにした。
2.アデノシン受容体拮抗薬およびアデノシン受容体作動薬の影響
1)テオフィリン(アデノシン受容体拮抗薬)100μgの脊髄くも膜下投与は6分間虚血モデルでの後肢運動機能に影響を及ぼさなかった。
2)プロペントフィリン(内因性アデノシンの再取り込み阻害薬)30μg、100μgの脊髄くも膜下投与は10分間虚血モデルにおける後肢運動機能障害を改善しなかった。
3)2-クロロアデノシン(選択的アデノシンA1受容体作動薬)10μg、30μgの脊髄くも膜下投与は10分間虚血モデルにおける後肢運動機能障害を改善しなかった。
3.脊髄くも膜下腔のマイクロダイアリーシス法による脳脊髄液中のグルタミン酸の定量
1)2-クロロアデノシンの脊髄くも膜下投与は脳脊髄液中のグルタミン酸濃度を有意に減少させた。
以上の結果から、脊髄の側副血行を減じた脊髄虚血モデルでは、脊髄アデノシン受容体は脊髄虚血後神経障害発生機序の中では大きな役割を持たないと結論した。この研究結果は第45回日本麻酔学会総会で発表予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yutaka Taira, Martin Marsala: "Effect of Proximal Arterial Perfusion Pressure on Function, Spinal Cord Blood Flow and Histopathologic Changes After Increasing Intervals of Aortic Occlusion in the Rat" Stroke. 27,10. 1850-1858 (1996)

  • [文献書誌] Tai Shimabukuro,Yutaka Taira: "The Role of Adenosine Receptor in Neuronal Injury after Transient Spinal Cord Ischemia" Jouranal of Anesthesia. 12,Supp. 591-591 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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