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1996 年度 実績報告書

プロポフォールによる完全静脈麻酔の血小板凝集能と出血時間に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 08671784
研究種目

基盤研究(C)

研究機関(財)田附興風会

研究代表者

原 保史  財団法人田附興風会, 医学研究所・第3研究部, 主任研究員 (80281608)

研究分担者 中村 久美  京都大学, 医学研究科, 助教授 (30198204)
平方 秀男  財団法人田附興風会, 医学研究所・第3研究部, 研究員 (70271509)
キーワードプロポフォール / 静脈麻酔 / 血小板 / アラキドン酸 / プロスタグランジン / トロンボキサン / サイクロオキシゲナーゼ
研究概要

新しい静脈麻酔薬であるプロポフォールの血小板、血管平滑筋などに対する作用の報告は、これまで、報告者により食い違いが大きく、大変議論のあるところであった。そこで、我々は、プロポフォールの血小板に対する作用とその機序についての研究をおこなった。現在までにプロポフォールはADPによる血小板二次凝集に対し高濃度では抑制作用を示すが、低濃度では増強作用を示し、いずれの場合にも一次凝集にはほとんど影響しないこと、及び、アラキドン酸による血小板凝集は抑制するが、プロスタグランジンG_2(PGG_2)及びトロンボサキサンA_2(TXA_2)類似物質であるSTA_2による血小板凝集は増強することを解明した。さらに、プロポフォールはサイクロオキシゲナーゼ活性を直接抑制すること、及び、血小板TXA_2受容体の結合能には影響しないことも解明した。このことよりプロポフォールはサイクロオキシゲナーゼ活性を抑制することによりTXA_2合成を阻害して血小板凝集を抑制する作用とTXA_2受容体以降のなんらかの機序に作用して血小板凝集を増強する作用の両方を有することが示された。すなわち、プロポフォールは、実験条件による正反対の作用を示しうるものであり、ひいては、上記の報告者による大きな食い違いを統一的に説明しうるものと思われる。以上を本年のアメリカ麻酔学会年次総会において発表を予定している。さらに、各種刺激物質で刺激したときの血小板におけるTXA_2の安定分解産物であるTXB_2生成量をRIA法で測定することにより直接TXB_2生成量を検討する事を現在進めている。さらに、プロポフォールがTXA_2受容体以降のどのような作用機序によってSTA_2による血小板凝集増強作用をもたらすのかも併せて検討したい。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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