研究概要 |
研究分担者である平方は、プロフォール研究の第一段階として、まず吸入麻酔薬の血小板機能に及ぼす影響を検討した。その結果、吸入麻酔薬であるハロセンとセボフルランはサイクロオキシゲナーゼ活性を抑制することにより血小板凝集を抑制しているが、イソフルランにはこのような血小板機能に影響するような作用はないことを突き止め、米国麻酔学会誌であるAnesthesiology誌(85:1447-53,1996 87:1016-7,1997)に論文発表した。さらにセボフルランを臨床使用した場合でも実際にこのような血小板凝集抑制作用が血小板凝集計により確認されるがイソフルラン麻酔時にはこのような効果のないことをつきとめCan J Anaesth誌(44:1157-61,1997)に論文発表した。 またプロポフォールについては、研究分担者である平方が、血小板凝集能に対して条件により抑制、増強両方の作用を有していることを確認した。さらにプロポフォールの血小板凝集抑制作用のメカニズムは吸入麻酔薬のそれと同様であること、即ちプロポフォールがサイクロオキシゲナーゼ活性を抑制することにより血小板凝集を抑制するのがそのメカニズムであることを突き止め、本年の日本麻酔学会年次総会で発表予定である。研究分担者である平方は、さらに、プロポフォールによる血小板凝集能の増強作用のメカニズムを検討した。その結果、プロポフォールが被刺激時の血小板イノシトール3リン酸量を増加することにより血小板凝集に対して増強作用を有することを確認した。以上をまとめて米国麻酔学会誌であるAnesthesiologyに論文発表すべく投稿を急いでいる。
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