研究課題/領域番号 |
08671793
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
久保田 洋子 山形大学, 医学部, 助教授 (60125763)
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研究分担者 |
渡部 守浩 山形大学, 医学部, 助手 (40220933)
笹川 五十次 山形大学, 医学部, 講師 (80196146)
中田 瑛浩 山形大学, 医学部, 教授 (50009495)
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キーワード | electroporation / ブレオマイシン / 膀胱癌 |
研究概要 |
(1)ヒト移行上皮癌樹立細胞株(YTS-1)を用い、400v/cm〜1400v/cmの高電圧を100v/cmきざみに作用させ、ルシファーイエロ-を細胞内に誘導した。パルス巾は100μs、パルス回数は8回に固定して行った。1000v/cmまたは1300v/cmの条件において約90%の細胞内にルシファーイエロ-が誘導され、電圧による死細胞は10%以下であることがわかった。以後これを至適条件として実験を進めた。 (2)培養液中に100μg/mlと10μg/mlのブレオマイシン(BLM)を投与し、1250v/cmm100μsの方形の高電圧を8回作用させた群(electroporation群)とコントロール群の細胞内BLM濃度を測定した。投与後1時間でのelectroporation群の細胞内BLM濃度はコントロール群に比較し、109倍(BLM 100μg/ml作用時)または2.5倍(BLM10μg/ml作用時)高値を示した。 (3)雄性Wistarラットを用い膀胱を経腹的に露出し、ブレオマイシン10ng/kgを尾静脈より注入した。5分後に1000v/cm 100μsの方形電圧を8回膀胱に作用させた群(electroporation群)とコントロール群の膀胱および血清、肝、腎、肺の各BLM濃度を測定した。静注1時間後の膀胱組織内BLM濃度はelectroporation群がコントロール群の2.5倍の高値を示した。 (4)雄性Wistarラットに0.05%BBNを24時間投与し膀胱癌を作製した。これに対し、経腹的に膀胱を露出し、BLM10ny/kgを尾静脈より投与、5分後に1000v/cm、100μsの方形電圧を8回膀胱に作用させた(BLM+electroporation群)。また開腹だけの無処置群、electroporationだけの群、BLM静注だけの群で腫瘍に対する効果を組織学的に比較した。BLM+electroporation群で腫瘍の1/2以上の壊死が見られた例が9例中4例あったのに対し、他群には1例も広範な腫瘍壊死所見が認められなかった。
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