研究課題/領域番号 |
08671799
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
保坂 義雄 東京大学, 医学部・附属病院分院, 講師 (70133080)
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研究分担者 |
木村 明 東京共済病院, 泌尿器科, 部長
北村 唯一 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助教授 (70010551)
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キーワード | 超音波診断 / 模式図表示装置 / 添付図譜 / 腎臓 / 前立腺 |
研究概要 |
1.腎での研究実績:正常人のCT像より腎と体表の三次元像を作成し、探触子を当てる位置と角度を指定することにより超音破ビームが腎のどこを通過するのかを表示する試みは、前年度までの研究で体表に加え肋骨との位置関係がよい目安になることが考えられた。また、三次元人体マップに超音波画像の走査面を書き込み模式図として表示する試みは、客観的な再現性のある位置と角度の設定方法を開発することが前提と考えられ、腫瘍、結石、嚢胞等の異常所見を模式図の上に書き込むためには、更なる精度の向上を期す必要が認められた。特に臨床的に最も実用的価値が望まれる癌病変において癌と正常部位の境界が必ずしも明確に示されない場合に、断定的な病変部位を指定することは実際的でないため、表示方法の工夫が必要であると考えられた。また、代表的疾患の多数例を予め記憶させた画像データベースを構築し、個々の症例検討の際にデータベースの中から最も近いものを選ぶという方法は、選び出す基準を如何に設定するかが新たな問題となり、症例の蓄積もなかったため具体的な進展は得られず今後の課題となった。 2.前立腺での研究実績:当科では、最大横断像を基に回転楕円体で近似する方法により前立腺体積を求めている。本年度は経直腸的超音波断層像のbiplane planimetryによるより正確な体積測定が模式図作成に応用できないか検討した。既に市販ソフトによる三次元表示の試みは行っており(木村明、他:超音波医学、22:703-710、1995)、biplane planimetryの症例蓄積が始められているがデータベースを構築するには至っていない。前立腺疾患はバラエティが少なくデータベースから検討症例に最も近いものを選ぶ基準作りは比較的困難でないと思われ、自己学習にも役立つプログラムの実用化が期待できると考えている。
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