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1996 年度 実績報告書

脊髄損傷後の過活動膀胱と膀胱求心性神経の可塑性

研究課題

研究課題/領域番号 08671804
研究機関信州大学

研究代表者

井川 靖彦  信州大学, 医学部, 助教授 (40159588)

研究分担者 西沢 秀治  信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (60262713)
小宮山 斎  信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (30273105)
キーワード脊髄損傷 / 膀胱 / 求心性神経 / 神経可塑性 / カプサイシン
研究概要

カプサイシン感受性膀胱求心性神経の可塑性が過活動膀胱の発生にどのように関与するのかについて、脊髄損傷ラットを用いて薬理実験よる検討を行うとともに、臨床的にも、慢性脊髄損傷のため過活動膀胱を示す患者に対するカプサイシン膀胱内注入療法の有効性を検討した。
1.慢性脊髄損傷ラットおよびその対照群の膀胱内にカプサイシン(CAP)またはレジニフェラトキシン(RTX)を投与し,生理食塩水の膀胱内注入によって誘発される律動性膀胱収縮(RC)に対するこれらの薬物の抑制効果を両群間で比較検討した。両群共に,CAPは用量依存的にRCを抑制し,群間でその効果に有意差を認めなかった.RTXも,CAPと同様の効果を示したが,その力価はCAPの約100倍強かった.
2.正常および慢性脊髄損傷ラットの脊髄クモ膜下腔内にneurokininl受容体阻害薬であるRP67580を投与し,RCに対する効果を検討したところ,両群共に用量依存性に抑制効果が確認できたが,脊損群では対照群と比較してこの抑制効果は有意に軽度であった.
3.慢性脊髄損傷に伴う過活動膀胱による難治性尿失禁患者5名を対象に,カプサイシン膀胱内注入療法を行い、その有効性を経時的に検討した結果,本療法は過活動性膀胱収縮を有意に抑制し,尿失禁を軽減した.また,この効果は少なくとも3カ月以上持続することが確認できた.
以上の結果から,ラットでは,正常,脊髄損傷後のいずれにおいても,カプサイシン感受性膀胱一次求心性神経は排尿反射の求心路として重要な役割を演じており,脊髄neurokininl受容体が排尿反射に促進性に働くと考える.一方,ヒトでは,同求心性神経は脊髄損傷後の過活動性膀胱収縮の発生に関与することが判明した.

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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