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1997 年度 実績報告書

男性不妊症における精子卵結合の異常の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08671814
研究機関大阪大学

研究代表者

北村 雅哉  大阪大学, 医学部, 助手 (70273688)

研究分担者 瀬谷 司  大阪府立成人病センター研究所, 第6部, 主幹
松宮 清美  大阪大学, 医学部, 講師 (90243237)
奥山 明彦  大阪大学, 医学部, 教授 (20093388)
キーワード男性不妊 / 精子卵結合 / CD46
研究概要

我々は精子卵結合異常による不妊症という新たな疾患単位の研究において、ヒトにおける臨床的研究とマウスにおける基礎的研究の両面からアプローチを試み、平成8、9年度においてはともに完全に計画通りの成果を得ることができた。
1)ヒト精子CD46のクローニング
CD46は各臓器特異的なバリアントが多くあるが、精子CD46は糖鎖をもたない非常に特徴的な構造をしており、小胞体の相同器官であるアクロゾームに局在している。我々はそのクローニングに成功し、他のCD46とは異なる特徴的な細胞内ドメインを持つことを示した。それをCHO細胞に強制発現させたところ糖鎖を持たない分子が小胞体内に限局して見られた。さらにその精子卵結合における機能をヒトの精子卵結合のモデルであるハムスターテストを用いて体細胞のCD46と比較したところ有意に高い結合が見られた。つまり、ヒト精子CD46においてはその細胞内ドメインに翻訳後の修飾に関する情報があり、それにより精子卵結合における機能への特化が起こるものと思われた(Immunology in press)。
2)マウスCD46のクローニング
ヒト、モルモット等との遺伝子配列の比較により相同領域を推定し、そのプライマーを用いてPolymerase Chain Reactionを行ない717bpのバンドを得、これをprobeにしてマウス精巣のcDNA libraryより1.2kbのcDNA全長のクローニングに成功した。Northern blotting,ペプチド抗体を用いたWestern blottingにてマウスCD46は精巣特異的に発現していることが明かになった。これは生殖系と免疫系の関係を考えるうえで非常に興味深く、現在その補体制御能などの機能的解析終了後投稿予定である。また、そのノックアウトマウスは生殖系に限定した機能解析ができることが期待されるため、このcDNAを用いてgenomeの解析を開始している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 北村雅哉: "精子に発現される補体関連分子群の機能とその臨床的意義" 臨床免疫. 28・4. 451-455 (1996)

  • [文献書誌] Masaya Kitamura: "The fertilizing ability of human epididymal sperm" Journal of Assisted Reproduction and Genetics. 13・8. 652-656 (1996)

  • [文献書誌] Masaya Kitamura: "Possible association of in fertility with sperm-specific abnormality of CD46" Journal of Reproductive Immunology. 33. 83-88 (1997)

  • [文献書誌] Tomoko Hara: "Post-translational modification and intracellular localization of a splice product of CD46 cloned from human testis:Role of the intracellular domains in O-glycosylation" Immunology. (in press).

  • [文献書誌] 北村雅哉: "精子-卵結合と免疫" ホルモンと臨床. (in press).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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