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1997 年度 実績報告書

泌尿器癌におけるG250(MN)抗原の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08671834
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

平尾 佳彦  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00133207)

研究分担者 岡島 英五郎  奈良県立医科大学, 医学部, 名誉教授 (50075115)
植村 天受  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90213397)
キーワードMN抗原 / mAbG250 / 泌尿器癌 / 免疫組織化学 / RT-PCR
研究概要

本研究では、悪性腫瘍に特異的と考えられている癌関連抗原MNの泌尿器癌すなわち腎細胞癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌における発現について免疫組織化学(蛋白レベル)およびRT-PCR法(遺伝子レベル)を用いて検討し、泌尿器癌特異的ターゲット治療の可能性について実際の動物モデルを用いて検討した。平成8年度に行った免疫組織化学の結果、MNの発現頻度は腎細胞癌82/93(88.2%)、膀胱癌20/61(32.8%)、前立腺癌0/46(0%)、精巣癌0/19(0%)であった。腎細胞癌のほとんどの例においてhomogeneousで強陽性に染色されるのに対し、膀胱癌では、膀胱癌ではheterogeneousで弱陽性にしか染色されなかった。この結果をもとに、MN target therapyとして腎細胞癌にfocusを絞った。その後の検討で腎細胞癌147例の検討では87.1%と高率に蛋白レベルでMN抗原が発現しており、遺伝子レベルでは91.8%とgeneのみの発現が7例に認められた。cell typeではclear cell typeで99%、non-clear cell typeで64.7%とclear cell typeではほぼ全例に発現していた。gradeではG1 100%、G2 88.5%、G3 25.0%とhigh gradeになると有意な発現低下を認めた。またstageにおいても同様の傾向を示した。
以上より、MN抗原陽性NUR-2 ヒト腎癌ヌードマウスモデルを用いてmAbG250およびその抗イディオタイプ抗体NUH82を利用したMN targeting therapyの有用性について、サイトカイン(IL-2/IFN)と共に治療実験を行い比較検討した。結果は、mAbG250およびNUH82 inducedマウス血清(Ab3)治療群はコントロール群に比較し有意な抗腫瘍効果を示し(p<0.01)、rlL-2/mIFNなどのサイトカイン治療群と同程度の効果であった。またmAbG250,Ab3にサイトカインを併用した群では著明な抗腫瘍効果を示し(p<0.001)併用効果の有用性が示唆された。以上より、腎細胞癌においてMN target therapyの有用性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 植村天受: "腎細胞癌における抗イディオタイプ抗体の特異的免疫療法としての有用性" 奈良医学雑誌. 47. 76-87 (1996)

  • [文献書誌] 植村天受: "腎細胞癌における抗イディオタイプ抗体による特異的免疫療法の可能性" Biotherapy. 10. 241-244 (1996)

  • [文献書誌] 植村天受: "腫瘍抗原の内部イメージとしての抗イディオタイプ抗体" 臨床免疫. 28. 134-138 (1996)

  • [文献書誌] 植村天受: "腎細胞癌における抗体および抗イディオタイプ抗体による治療効果" Biotherapy. 11. 400-402 (1997)

  • [文献書誌] Uemura H: "Idiotypes in Medicine,Autoimmunity,Infection&Cancer" Elsevier Science, 540 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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