研究概要 |
本年度においては,前立腺のホールマウントの免疫組織染色を抗C3H系統特異抗体を用いて行う予定であったが,キメラマウス前立腺の各葉(腹葉,後側葉,凝固腺)における抗C3H系統特異抗体の染色性において安定性に欠けていることが判明したため,免疫抗体染色条件の再設定を試みた.精巣,腎,小腸,精嚢腺などの組織においては明確なキメラ状染色を示すが,前立腺においては染色条件設定を変更するも満足のおける条件が決定できなかった.このため,分子生物学的手法により前立腺組織のキメラ状態を検討するため,PCR法によりD3Mit21をプライマーにしてBalb/cとC3Hのマウス系統の識別を試みた.また,Sry7097のプライマーを用い雌雄の決定も試みた. 現在,前立腺腺管の先端一部を微小解剖し,DNAを抽出しPCRを試みており,微小解剖された一個の前立腺腺管の前立腺細胞のPCRが,可能なことが確認された.今後さらに本法により腺管の領域によりキメラ構造をこの手法を用い検討する予定である.
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