| 研究概要 |
本研究の最終目的は、ヒト染色体のすべてを対象として、子宮体癌・卵巣癌における染色体欠失領域および遺伝子不安定性の原因の1つであるDNAミスマッチ修復異常とDNAレブリケーションエラー(RER)をテストすることにより検索し、婦人科癌における欠失領域の詳細な地図を作製することである。
我々は、これまで第10番染色体長腕のq25-q26領域が子宮体癌なかでも高分化癌で真頻度に欠失していることを見出し、詳細に欠失地図を作製したところ、D10S209とD10S216の間に約8CM,D10S217とD10S590の間に約12CMの共通欠失領域を認めた.次に酵母人工染色体(YAC)を用いて詳細に解析したところ、共通欠失領域は790kbのYACにより完全にカバーされていた.さらにこれらのYACからコスミドコンティグを作成し、得られたクローンを用いて、FISH法を行い詳しく解析したところ、共通欠失領域は120kbという極めて狭い範囲に限局された。
本年度は他のグループとその共同研究により、同じ10番染色体領域に存在するPTENI遺伝子が子宮体癌の発生・進展に大きく関与している可能性を示した.
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