研究概要 |
微量サンプル中のエストロゲン受容体mRNAを測定する目的で内部標準品を用いた定量的PCRによるERmRNA測定法を開発した。まず、ERcDNAのホルモン結合領域のうちエクソン6とエクソン7を含む塩基配列420bpsに200bpsの断片を挿入して内部標準断片を作成した。検体から抽出したRNAを逆転写しこの内部標準と同一チューブ内でPCRを行ない、増副産物をアガロースゲルで分離し、さらにサザンブロット法にて^<32>Pで標識しそれぞれの放射活性を測定した。目的とするサンプルのERmRNA量はサンプルと内部標準品の放射活性のロガリズム比を求めて直線回帰方程式から計算した。この系における測定CV値は18.8%であった。つぎにこの方法を用いて、以下の結果を得た。(1)ラット子宮におけるERmRNAのはエストロゲン自身により増加する。(2)骨芽細胞由来および子宮内膜由来のセルラインのERmRNAを測定したところ骨由来ではROS,HOSおよびG292におけるERmRNAはそれぞれ1.78【.+-。】0.37×10^<-13>,9.10【.+-。】0.18×10^<-14>、2.86)]SY.+-。[)0.27×10^<-14>mol/g total RNAであった。(3)ラット骨肉腫由来細胞ROSを用いてエストラジオール、ビタミンD3、PTHおよびアクチビンのERmRNAの変化に与える効果を検討した。PTHを除きいずれの化学物質も生理的濃度でERmRNAを有意に増加させ、これらの物質が骨芽細胞におけるERmRNAの発現に関与していることが明らかとなった。
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