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1997 年度 実績報告書

ヒト陣痛発来機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08671897
研究機関岡山大学

研究代表者

多田 克彦  岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (90252973)

研究分担者 近藤 裕司  岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
岸本 康夫  岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (30186217)
工藤 尚文  岡山大学, 医学部, 教授 (90127556)
キーワード羊水 / ドパミン / プロスタグランディン / 脱落膜 / ドパミンレセプター / 細胞質内在型ホスホリパーゼA2
研究概要

羊水中に高濃度に存在するドパミン(DA)が,卵膜でのプロスタグランディン(PG)産生を刺激してヒトの陣痛発来機構に関与していると想定し,まずヒト卵膜を構成する脱落膜切片とDAとの培養実験を行い,DAがヒト脱落膜のPG産生刺激作用を有することを示した。さらに結合実験(アイソトープ:^3H-SCH23390)にて,ヒト脱落膜に2種類のドパミンレセプターのうちDA1レセプターを証明した(解離定数:1.87nM,最大結合量:790fmol/mg protein)。競合阻害実験を行い,薬理学的にもこの結合部位がDA1レセプターであることが確認され,DAの阻害定数よりD1サブタイプと考えられた。現在,ヒト脱落膜におけるDA2レセプターの存在について検討中であるが,特異結合が認められておりその存在が示唆される。次にアラキドン酸カスケードの重要な酵素であるホスホリパーゼA2(PLA2)について検討した。レセプターを介するPG産生刺激機序には,細胞質画分に存在する高分子量細胞内在型PLA2が関与しているものと考えられている。卵膜の細胞質画分をカットオフ値M.W.30kDの限外濾過膜を用い濃縮し酵素源とし,放射性基質(Sn-2基のアラキドン酸またはオレイン酸を14Cでラベルしたphosphatidylcholine)とインキュベーションした。卵膜細胞質画分のPLA2活性は,アラキドン酸遊離量14.0±7.4pmol/mg protein/h,オレイン酸遊離量7.0±3.5pmol/mg protein/hと有意にアラキドン酸特異性があった。さらにゲル濾過法にて高分子量(80kD前後)の分画にPLA2活性のピークが認められた。以上より,ヒト卵膜細胞質画分にはアラキドン酸特異性が高く高分子の,細胞質内在型PLA2と考えられる酵素活性が存在し,レセプター刺激とPG産生との関連が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Yanagawa et.al.: "Presence of Dopamine DA-1 Receptors in Human Decidna" Placenta. 18. 169-172 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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